はだしのぼくに、ビーチサンダル/u.w.

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2015.08.05 Wednesday ... - / -
#『行人』
 夏目漱石の『行人』を読了。図書館で借りてきたゲド戦記や、ブローティガンの不運な女を後回しにして。昨晩ははやく寝るつもりだったのに、いつのまにか夢中で本を読んでいた。そして、六時間後に読了。時間は午前三時半くらいだった。なあに、無鉄砲なことをする女だ、と思いつつ、本をめくる手を休めなかったのだけれど。
 『行人』が『こころ』の前にくることは、読んでいてなるほどなと思った。漱石研究をちょっとかじってる自分は、どうも分析的に読んでしまう癖がついてしまった。語り手の姿勢だとか、発言の嘘、本当を分析してしまって、素直に読書を楽しめなかった。といっても、この『行人』は相当面白かったわけだけれど。
 私が結局理解できなかったのは、直と二郎のふたり。直は本当に二郎を好いていたのか。二郎は直を好いていたのか。結局のところ、二郎が語っている物語であるから、どうだって語れるわけで、何か大切なところが抜けているような気がしないでもない。ただ、一郎の妄想はどこから始まって、どうしてあの状態にまでなったのか。そして、錯乱状態(といっても、一郎は非常にしっかりしているのだけれど)だった一郎の目に映ったお貞のことを考える。一郎は本当に直を好いていたのかな。いや、好いていたはずだ。じゃなきゃ、嫉妬に駆られて、あんな変なことは言わなかっただろうし。二郎としても災難続きだったな。私は最初のうちは一郎も二郎も好きだったのだけれど、最終的にはよくわからなくなってしまった。
 あと、三沢のエピソード。あれはだれかが自殺する、と想像させるためのトラップだったのか。私は最初、絶対に誰かが死ぬと思っていたから、覚悟していたのだけれど。実際はその当てが外れてしまった。でも、三沢のエピソードが、あとの一郎の考えにつながっているのだろうけれど、私にはその関係が明確にとらえられない。
 秋学期のゼミの研究図書をどうしようかと悩んでいたけれど、『行人』になるかもしれない。あぁ、でも『道草』か『彼岸過迄』か。『坑夫』も捨てがたい。今日も読んでしまおうかな、漱石を。一冊の研究対象を選ぶのに、こんなに苦労するとは思ってなかった。
2009.10.02 Friday ... comments(4) / -
#谷崎潤一郎
 今朝、入国管理局までの道中に読んでいた本。森鴎外と同様に、短編、中編、エッセイなど盛りだくさんだった。谷崎潤一郎を読むのは、これが初めて。

 谷崎潤一郎を読もうと思ったのは、最近の授業で取り上げられたから。でも、去年のゼミで芥川龍之介について勉強したとき、いつのまにか谷崎潤一郎の論文にたどり着いていたことがあった。そのときから、なんとなく気になってはいた。だから、ちょうどいい機会だと思って読むことに。

 私が今日読んだのは「刺青」と「秘密」。どちらも艶かしくて、エロティックだった。谷崎は変態、というのを友人から聞いていたけれど、私は全然アリだと思った。個人的に、「刺青」が特に好きだと思った。文章が綺麗で、情景が鮮明に想像できた。とくに、肉体の白さがすごく綺麗に描かれていたように思う。京極夏彦の、「絡新婦の理」を思い出したのは、蜘蛛の刺青のせいだろうか。でも、京極夏彦の文章よりも好きな文体だった。
 「秘密」自体も、すごく良かった。特に、女装している場面。あのシーンはすごく妖しくて、どきどきした。こう、覗きみてはいけないものをみてしまったような、背徳的な酔いみたいなものを感じた。女装の場面も好きだけれど、雨の描写も好きだった。主人公の靴が、雨に濡れてテカテカしているのがよく想像できた。あと、手紙も素敵だった。いつのまに忍ばせたんだ、とは思ったけれど。オチは想像通りだったけれど、それが逆に残念だった。

 谷崎潤一郎の文章は、今まで読んできたものの中でも、かなり好きな部類にはいると思う。内容というか、傾向として。最近読書に集中できなくなっていたのだけれど、谷崎を読んで、また読書に対する熱があがってきたように思う。「この人の文章好き」と思える作家は久々で、それがすごく嬉しかった。


JUGEMテーマ:読書

2009.04.24 Friday ... comments(0) / -
#森鴎外(ちくま日本文学017)
 昨晩、湯船に浸かりながら読んでいた一冊。短編から中編くらいの小説が収録されている。私が読んでいたのは「妄想(もうぞう)」というもの。実は、「高瀬舟」を中学生のころに読んで以来、森鴎外は苦手な作家だった。あの読んでいるときの、ハラハラする感じが怖くて嫌だった。あと、中学生の私には、高瀬舟の内容が理不尽に思えて仕方がなかった。切ないというか、なんというか。そんな森鴎外"作品"を、ゼミでを読むことになり、そのためにこの本を購入。「舞姫」が目当てだったけれど、タイトルが面白そうなものばかり。あと、ついでに「ヰタ・セクスアリス」(新潮文庫)も購入。

 「妄想」をぱらりとめくって読んでみたら、意味はよくわからないけれど面白かった。言葉遣いが特に面白くて、日本語の中に散乱しているドイツ語の単語が興味深い。日本語じゃなくて、あえてドイツ語を選ぶ理由や、ドイツ語ではなく日本語で書く意味などを考えると、文章をもっとひろく捉えられるような気がした。とはいえ、内容自体はあまり理解できなかった。単語単語に目が行き過ぎて、流れが読み取れなかった。でも、森鴎外の文体は、すごく洗練されているというか、学者(医者)の文章っていう感じがした。カルテをひっくりかえしたら、ああいう文章がこぼれてきそう。そういうところは、なんだかしゃきっとしてて好き。また読み返してみたいと思う文章だった。


 
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2009.04.24 Friday ... comments(0) / -
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